小倉利丸

音の氾濫、反乱の音 ── 大衆音楽の両義性

アシッド・キャピタリズム 文化という領域が、経済や政治とは区別された独自の領域を形成しているという見方が、もはや成り立ちようもないことは明らかなことだが、しかし文化的な諸現象や諸活動が経済や政治とどのような関わりにあるのかということになると…

ストリート文化の非犯罪化のために――所有権に抑圧される表現の自由

地域開発が進められるときには、様々な社会的排除や「浄化」が強引になされる。来年4月の北陸新幹線の開通を控えて、都市部の環境浄化が進められている。 報道によれば、富山市が市の中心部の「落書き」に対して、警察に告発状を提出したと報じられているが…

社会に介入するアート ──シチュアシオ二ストの実験とボイスの「社会彫刻」 小倉利丸

意識および意味の危機 社会とアートの関わりを、ファイン・アートのコンテクストを踏みはずすことなく実践してきた希有な存在として、ヨーゼフ・ボイスの名を挙げることができる。 ボイスは「ハニー・ポンプ」という有名な作品に関連して、「現にあるところ…

所有と表現の自由 小倉利丸

旧聞に属することだが、ストリート・グラフィティ・アーティストの Zevs が昨年7月に香港の Art Statements Gallery における個展の際に、香港のアルマーニのブティックにシャネルのロゴを、絵の具をたらす手法(Liquidated Logos)で「落書き」して、逮捕さ…

「成長」とナショナリズム──不可能性としてのアベノミクス 小倉利丸

以下の原稿は3月中旬に執筆したものだ。その後の安倍政権の動向をふまえたとしても、基本的な私の認識に変更の必要はないと考えている。しかし、いくつかの補足をしておきたいことがある。 以下の文章で、日本の経済的な困難は、先進国に共通した困難であっ…

測定とミクロの権力 放射能汚染問題をめぐって 小倉利丸

PDFで読む1はじめに チェルノブイリ原発の大惨事以降、新たな反原発運動が高まりをみせているが、なかでも、以前から消費者運動や共同購入運動に関わっていた都市の ”消費者層” へとりわけ「子供をもつ母親たち」が、食品の放射能汚染間題を中心に反原発の…

社会正義のために経済の「破綻」を恐れてはならない──原発事故から学ぶべきこと── 小倉利丸

PDFで読む●原発推進の力学 福島第一原子力発電所のメルトダウン事故は、これまで国政レベルではほとんど論争にすらならなかった原発の安全性をめぐる論争を、やっとのことで喚起させるきっかけとなった。建設現地の住民たちによる反対運動はどこの原発でもみ…

グローバル資本主義の金融危機と労働力支配 小倉利丸

PDFで読む金融から現実資本へ、自動車から農業部門への危機の拡大 サブプライムローンの破綻は、07年8月にフランスの大手銀行BNPパリバ傘下のファンドがサブプライムローンの影響で資産凍結となりドイツ、ザクセン州立銀行の経営不振(08年1月)、…

もっと暗闇を!──グローバル資本主義批判から原発批判への道を探る 小倉利丸

PDFで読む原発を推進したグローバル資本主義 首都圏では、原発による電力供給の不可欠性の証拠として企業や財界によって計画停電が利用される一方で、反原 発、脱原発の運動のなかからは、原発なしでも十分電力需要は充たせるとして、計画停電は原発推進のた…

「愛」と「成長」のダークサイド  あるいは夢想家になることの必要について 小倉利丸

PDFで読むはじめに──新自由主義批判を超える課題としての「成長」批判 経済成長と呼ばれているものが、そのものとして実在するわけではない。経済成長と呼びうるなにものかは実在しないが、これを実在するかのようにして人びとに信じさせる仕掛けは確実に存…

ナショナリズムを根源から拒否しうる価値の創造へ──尖閣=釣魚諸島をめぐる問題が示すもの 小倉利丸

PDFで読む 尖閣=釣魚諸島における海上保安庁の警備艇への中国漁船衝突事件は、両国の排外主義的なナショナリズムを刺激してしまった。在日特権を許さない市民の会(在特会)のような右派「市民運動」が急速に動員力を高め、その動員力が圧倒的に わたしたち…

原発は資本と国家の狂気である 小倉利丸

本家サイト PDFで読む 福島第1原子力発電所の状況は一進一退を繰り返しながら、対処に時間がかかればかかるほど「安全」と言えるような収束の見通しが見えにくくなっている。問題はほんの数時間先の将来すら見通せないことからくる不安なのだ。この不安は事…

都市空間に介入する文化のアクティビスト パブリック・アートの政治性 小倉利丸

PDFで読む フォーマリズムの批判からアクティビズムの形成へ アートの政治性を論ずるということに関して、もはや何の規制も偏見もあり得ないというのは、批評家の世界のことであって、実際にそれが作品として提示されるということになると、まだ大きな制約を…