ロシア・フォルマリズム

ロシア・フォルマリズム 桑野隆

1 今世紀の文学理論が変化しはじめた年を特定するとすれば、それを1917年としても、あながち的はずれではあるまい。若きロシア・フォルマリスト、ヴィクトル・シクロフスキイが、先駆的論文「手法としての芸術」を発表したのが、この年である──T・イーグル…

詩的言語と周縁的現実 山口昌男

同じ言葉こそ使わなかったが、周縁性の問題を体系的にかつ多角的に、言語の次元で追究したのは、1920年代のロシア・フォルマリズムであり、30年代のチェコのプラーハ構造主義であった。特にフォルマリスト達の提起した詩的言語の問題は、言語ばかりでなく、…