ポール・セザンヌ

セザンヌ クレメント・グリーンバーグ

セザンヌの芸術は、30年前にはモダニティの溢れんばかりの源泉だったが、もはやそうではないかもしれない。しかし、その新しさや当世風のとさえ呼べる点で持ちこたえている。彼のはっきりした青の線は、対象の輪郭をその量塊から切り離し得るが、その方法は…

セザンヌ空間の構造 「サント・ヴィクトワル山」連作を中心に 末永照和

PDFで読む 1 絵画における空間は、すべて視覚的イメージとして表象される非現実的、想像的な広がりである。その意味で。自然再現的な絵画であると否とにかかわらず、タブローの物理的二次元性を超脱する空間のイメージは、われわれにたいして深遠感、拡大感…

セザンヌと『知られざる傑作』(Ⅲ) 佐野栄一

PDFで読む セザンヌは謎に満ちた画家である。それは、彼の生活が誰にも知られず謎に満ちていたということではない。彼の行動、彼の言葉、彼の性格、そしてとりわけ彼の絵が謎に満ちているということである。この謎を解こうと、様々な角度から探究がなされ、…

セザンヌと『知られざる傑作』 (Ⅱ) 佐野栄一

PDFで読む パリの中心に位置するシテ島とセーヌ川左岸とは、バルザックの時代も今も、堅牢な5本の橋で結ばれている。だが、『知られざる傑作』の17世紀はじめには、1本の石橋と2本の木橋があるだけだった。石橋は一番下流にかかるポン・ヌフで、この物…

セザンヌと『知られざる傑作』(I) 佐野栄一

PDFで読む 『知られざる傑作』は、17世紀の架空の天才画家、フレンホーフェルの、栄光と挫折を物語ったバルザックの小説である。物語には、フレンホーフェルのほかに、肖像画家として知られるポルビュスとまだうら若き後の古典主義絵画の巨匠プーサンが登…

セザンヌのパリ滞在の意味 永井隆則

PDFで読む セザンヌ像の修正 「プロヴァンスの孤高の画家」というイメージは、20世紀初頭のセザンヌ( 1839-1906 )没後、広く流布してきた。その理由は、セザンヌの名前を最初に広める事に貢献した、エミール・ベルナール、モーリス・ドニ、ジョワシャン・ギ…

19世紀末フランス芸術──セザンヌを中心に── 廣田正敏

PDFで読む 芸術家が誰のために仕事をするかというと、伝統的には、「パトロン」(王家、教会、大ブルジョアなど、いわゆるメセナ)から経済的支援を受けて、活動を行ってきたと言える。芸術が作家個人の営みとなり、その権利(著作権)や制作の自由が認めら…

両義性の実存的絵画論──前期メルロ=ポンティにおける 「セザンヌ」 の意味──横山奈那

PDFで読む序 現象学はバルザックの作品、プルーストの作品、ヴァレリーの作品、あるいはセザンヌの作品と同じように、不断の辛苦である──同じ種類の注意と驚異とをもって、同じような意識の厳密さをもって、世界や歴史の意味をその生まれいずる状態において…

知覚における絵画的意味 高橋 綾

PDFで読む はじめに メルロ=ポンティはその知覚論のなかで、くりかえし知覚のなりたちを絵画になぞらえて語っている。とくにセザンヌについては、『知覚の現象学』から、『間接的言語』、『セザンヌの疑惑』といった著作を経て、『眼と精神』 にいたるまで…