ペーター・ビュルガー

アヴァンギャルドの芸術作品 5. モンタージュ ペーター・ビュルガー

あらかじめ明らかにしておかねばならない重要な点は、モンタージュの概念によって、アレゴリー概念のかわりをつとめるべき新しいカテゴリーが導入されるわけではない、ということである。ここで扱うのはむしろ、アレゴリー概念のある特定の観点を、より正確…

アヴァンギャルドの芸術作品 2 新しさ ペーター・ビュルガー

アドルノの『美の理論』はたしかに、アヴァンギャルドの理論として構想されてはおらず、より大きな一般性を要求するものである。がしかしアドルノは、過去の芸術は現代(モデルン)芸術(die moderun Kunst :基本的には「モデルネの芸術」の意──訳者注)の…

ベンヤミンの芸術理論 ペーター・ビュルガー

周知のようにヴァルター・ベンヤミンは、その論文『複製技術時代の芸術作品*1』(文献6−b)において、芸術が20世紀最初の25年に経験した決定的変化を〈アウラの喪失( Verlust der Aura )〉という概念で表わし、この喪失をさらに複製技術の領域における変…

市民社会における芸術の自己批判としてのアヴァンギャルド

マルクスは『綱要(グリントリッセ)・序説』においてさらに、方法論的に大きな射程距離をもった思考を展開している。この思考も同様に、過去の社会形成物( Gesellschaftsformation )もしくは社会の過去の部分領域( Teillbereich )に関係するものである…

アヴァンギャルドによる芸術の自律性の否定 ペーター・ビュルガー

諸研究の検討から次のように言うことができる。自律性カテゴリーの解明は、これまでのところ、自律的芸術作品の概念において統一体をなすものと考えられるさまざまなサブカテゴリーが、まだ正確には明らかにされていない状態にある。個々のサブカテゴリーの…

ペーター・ビュルガー「現代美学にとってのアヴァン・ギャルドの意義──ユルゲン・ハーバーマスに答える」 小田部胤久 

J.ハーバーマスは1980年,アドルノ賞受賞に際して「近代──未完のプロジェクト」(三島憲一訳,『思想』82年6月号所収)という記念講演を行った。本稿の著者P.ビュルガーは,ポスト・モデルネの保守性を批判しつつ近代(モデルネ)の企てを遂行し続ける…

アヴァンギャルドの芸術作品 1〈作品〉カテゴリーの問題性 ペーター・ビュルガー

アヴァンギャルドの制作物に関連して芸術作品の概念を用いることには、問題がないわけではない。アヴァンギャルド運動によって呼び起こされた作品概念の危機が隠蔽されてしまうとか、したがってこうした論究はそもそも誤った前提から出発していることになる…

モダニズムからアヴァンギャルドへ(ペーター・ビュルガー) 田辺秋守

ペーター・ビュルガー(1936-)は『アヴァンギャルドの理論』(1974)のなかで、アドルノのしつらえた理論的な設定枠、つまり芸術の社会的性格と、社会から相対的に独立しているという自律性の[芸術の二重性格]を大筋では認めながらも、いくつかの点で大き…