テオドール・アドルノ

モダニズムの擁護(アドルノ) 田辺秋守

モダニズムを理論的にもっとも精妙に擁護したのは、T・W・アドルノ(1903-69)であろう。アドルノの遺作となった『美学理論』(1970)〔邦訳『美の理論』〕は、ボードレール以降の歴史的なモダニズム芸術を範にとる、モダニズム美学の批判的集大成となっている…

機能主義の美学 ──アドルノのデザイン論を通じて── 古賀徹

PDFで読む序 特定目的の実現のために構成された人工的環境が今日あまねく地表を覆っている。だが他方で、その目的に規定された環境のなかで、目的の定かでないブランド商品やイメージ広告など様々な呪物的商品がキッチュな猖獗を極めてもいる。脱魔術化の成…

美的ユート アの場──アドルノの美学理論の射程2── 照井日出喜

PDFで読むI ほぼ半世紀前にブルトンの演説の末尾を飾るはずであったマルクスとランボーとの統一というテーゼは,ほかならぬその彼岸性のゆえにほとんど妖艶ともいえる魔力を放つ。 傲岸な「非行少年」の引きちぎられた魂がパリ・コミューン期の「苦悩の大都…

アヴァンギャルドの「死」-アドルノの美学理論の射程 照井日出喜

PDFで読む I 束の間の熱狂ののちに非業の死を遂げたロシア・アヴァンギャルドの透徹した感性の一群とは異なり,現代のアヴァンギャルド芸術は侈くも華やかな商品の一塊としてグロテスクな安楽死を遂げつつある。絶望の吹き抜ける空洞のなかで世界に向かって…

芸術による批判は可能か?──アドルノの文化批判論をめぐって──石田圭子

PDFで読む序 アヴァンギャルドという言葉は今日の私たちを何となく落ち着かない気分にさせる。この響きが私たちにもたらす居心地の悪さは、とりもなおさず、その試みが不成功の裡にいつしかなし崩し的に消滅してしまったという実感に基づくものだと思う。確…

アドルノ,ブランショ,グリーンバーグ  ──批評におけるモダ二ズムというイデオロギー── 熊倉敬聡

PDFで読む テオドール・W・アドルノ(1903-69),モーリス・ブランショ(1907-), クレメント・グリーンバーグ(1909-)。 ドイツ,フランス,アメリカと国籍こそ違いながら,ほぼ20世紀の同時代を生きた3人。それぞれ,音楽,文学,美術という領域にお…